Code Completeを読み直した

CODE COMPLETE 第2版 上 完全なプログラミングを目指して

CODE COMPLETE 第2版 上 完全なプログラミングを目指して

CODE COMPLETE 第2版 下 完全なプログラミングを目指して

CODE COMPLETE 第2版 下 完全なプログラミングを目指して

【電子合本版】Code Complete 第2版 完全なプログラミングを目指して

【電子合本版】Code Complete 第2版 完全なプログラミングを目指して

いつどう読んだかさえ覚えていない以前に読んだことだけ覚えていたCode Completeを読み直した。読んだ当時は電子書籍ではなく、見たことがある人は分かるはずだが上下巻ともにまさしく鈍器と形容すべきサイズの本である。

電子書籍のセールか何かでKindleに入りっぱなしになっていたので読み直すことにした。あの鈍器も今や体になんの負担もなく手のひらで読むことができる。しかも電子合本版なんてのも今はあるようだ。技術って素晴らしい。

Code Completeはやや古典に入る部類ではあるが、プログラマー必携の書としておすすめされる本の一つである。初版は1993年らしい。25年ほど前なのでもちろん本書で触れられているものの解決されている問題もある。だが、本書の知見と見識のほとんどは今なお通用してしまう。決してこれが通用する現場が時代遅れとかそういうことでない。本書の見識の高さと今でも多くの人におすすめされる理由である。

本書は特定のプログラミング言語によった本でなく、汎用的なコードの書き方全般について触れている本である。この本をより現代的で、かいつまんで平易にした本がリーダブルコードになるようなイメージである。

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)

  • 作者: Dustin Boswell,Trevor Foucher,須藤功平,角征典
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2012/06/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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変数、ルーチン、クラス、さまざまな要素それぞれに対しての考え方、特にコメントをいかに書くかということについてこれほど詳しく書かれている本はあまりないと思う。

僕が何よりこの本に感銘を受けるのは、出典として引用する本、研究の多さである。本書筆者がどれほど多くの本、研究に触れてきたかということを明らかにするものでもあるし、時に「何となくそうなってるはず」で済まされがちなプラクティスに対する研究結果、数字が載せられているのは心強い。とあるプラクティスの導入に誰かを説得しなければいけないときなどにとても有用である。いまどきあまりないと思うがコードレビューをすると時間がかかるとか、開発者テストをした結果がどうなったとか、先行者の結果が載せられている。

というか、これだけの研究と結果がすでに約30年以上前に行われていて、まだまだ旧態依然としたプラクティスがはびこっていることに対して、技術自体の進歩に対し、人間の進歩が全く追いついてない結果に少しもやもやするほどである。

あまり初心者が読むには重厚すぎるところ、少し時代に合わないところも鵜呑みにしてしまう可能性があるので、自分のスタイルを持ちはじめた人が読むと良いのではないかと思う。