アジャイルサムライを読了しました

アジャイルサムライ-達人開発者への道-
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アジャイルサムライという本を読了しました。
本書は、多くの場所で読書会が開かれ、発売当初はしばらくどこも売り切れで買えないほどの人気を博している本です。
私自身も渋谷道場という、読書会に基本的に毎週参加しております。

私はTDDを実践、あるいは実践しようと日々勉強していますが、TDDと親和性が高いというアジャイル的な考えについてはよく知りませんでした。せいぜい、朝会とか継続的インテグレーションを大事にするらしい、ぐらいのものでした。知りたくはあったのですが、他に勉強したいこともあったので保留状態にしていたのです。

そこに、アジャイルサムライというすごく良くアジャイルプラクティスを解説した本が出るという情報を聞き、しかもそれの読書会もやるぞ、みたいな話も聞き、これは良い機会だから今アジャイルな方法というものを学習すべきだと思い、今に至る次第です。

私が本書を読んで、特に良かったと思うのは、プロジェクトの全体にわたった解説がされていることです。名著して名高いアジャイルな見積もりと計画作り等では詳細は語られているものの、全体を知るには難しいものがありました。
本書は、文体こそ柔らかく独特なものの、著者の体験とアジャイルソフトウェア開発の原則に則った確かな知識と具体的な方法が書かれています。また、章立てが上手で、それが理解を早めているのではないかと思います。
インセプションデッキ、エレベーターピッチ、見積もりの方法、プロジェクトが始まったらタスクはどう管理するかなど、具体的な方法が読みやすく、実践しやすい形で書かれているため、人に広めて行くにも良い本ではないかと思います。私もそのように使うこともあるでしょう。

そして、私が本書を読んだ上で、「アジャイルな開発とは何か?」を一言で表すとしたら、それは、「現実と戦う開発方法」だと思います。
アジャイルサムライには、現実と戦うプラクティスが詰まっていると思います。本書を読んで得た知識は、例えアジャイルなプラクティスを実践出来る現場でなかったとしても、どうしようもない現実と戦うにはどうすれば良いかという指標を与えてくれる、そういう術が含まれていると思います。