- 作者: サイモン・シネック,栗木さつき
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/01/25
- メディア: 単行本
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これもまた以前から気になっていてウィッシュリストに入れておいたいただきもの。バンクーバーに持ってこれたいただきものはこれぐらいだったので他のいただきものの本は帰国してから読みます…色々と途中で読む本を買える癖があるので中途半端なことになってしまった。
本書は、商品1つ1つの詳細に関わらず人を引きつける企業とそうでない企業の差は何かについて焦点を当てて解説を試みた本である。副題には「インスパイア型リーダーはここが違う」ということで企業のリーダーに向けられた本のように思えるが読んでみたところそうでもない。
構成がシンプルで、ひたすら「WHY」について焦点を当てて書かれている。「WHY」とは何で、これを実践している企業はどれで~という流れ。焦点が一つしか無いのでとてもスラスラ読めて理解も深まる感じがした。
なぜライト兄弟やキング牧師は革新をなし得たのかという一見ビジネスとは関わりのなさそうな解説から始まり、Appleはなぜ既存業界を革新できたのかという流れで解説される。
ただ、こういうビジネスに関する本の常であるけども、基本的に起こったことに対しての後付けからの分析になるのでこれからの未来を予測するものではない。ただ本書ではもちろんこの「WHY」こそが持続する企業に必要なものであり、リーダーに必要な資質であると解説している。僕も本書にすっかり説得されてしまったし、自分の経験則からしてもそのような理由付けは割としっくり来ている。
実際に本書に何度も例として出て来る例としてAppleがある。僕はAppleは結構好きな企業だったし、家のコンピュータたちもMacを基準に組み合わされていたが、最近はワクワクする体験ではなく何かとスペックを誇ることが多くなり、そんなことはどうでも良いことでスペックを誇るならMacなんてのは2流である。世界中のメーカーがしのぎを削っているPC/AT互換機にスペックと安さで勝てるわけもないしそんなものをファンは求めてないと思った結果、Appleから離れる気満々になっている。
これはAppleが本書で解説されている「WHY」を失ったからであると本書を読んだ後では理由付け出来るようになる。つまり「WHY」はスペックなど表面に現れるものはなく、企業がなにを目指しているかという姿勢的なものである。
僕自身の例だけだとしっくり来ない人も多いと思うので、気になる人は本書を読んでみてほしい。リーダーとかではなく、一個人として気づきを得られることも多いと思うし、読み物としても面白いと思う。
ちなみに本書の内容はTEDで配信されて人気になったということでこれから該当のTEDの配信も見てみようと思う。